月次アーカイブ: 8月 2016

公的年金はもはや頼りにならない?

今後、ますます少子高齢化が進み、人口に対する老人の占める割合が増加していくことが予想されています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、戦後生まれのいわゆる団塊の世代(昭和22-24年生まれ)の人が65歳以上になる2015年には、4人に1人が高齢者(65歳以上)になり、さらに2035年には、3.3人に1人が高齢者(65歳以上)になるという数値が出ています。この少子高齢化により、公的年金制度が危機的な局面を迎えています。

というのも、わが国の年金制度は、現役世代が支払う保険料を財源として、高齢者の年金を支払う賦課方式をとっているため、人口に対する高齢者の占める割合が高くなると、その分、現役世代の負担が大きくなってしまうからです。

そのため、今の高齢者が受給している年金額の水準を将来維持するのは、非常に困難な状況に陥っています。

8割の人が老後に不安を持っている

平成25年度の総務省の調べによると、老後の生活に対して不安を感じている人の割合は、「不安を持っている「どちらかというと不安を持っている」を合わせると8割近くに上っています。

老後の不安の主な理由としては、「公的年金や企業年金、退職金などが期待通りに受け取れるかどうか不安である」がトップで、次いで「預貯金などの蓄えが底をついて足りなくなるのではないかという不安(物価上昇によって収入などが目減りするのではないかという不安)が続いており、少子高齢化や長引く不況で、経済面での不安を感じている人が多くなっています。

老後を安心して迎えるためには、貯蓄をしっかりしておく必要があることは理解できますが、貯蓄の目標額も明確で、なしただ漠然と貯蓄をしようと思っても、なかなかうまくいきません。

老後、どんなライフスタイルを望み、そのライフスタイルを実現するのにどれくらい準備資金が必要なのかをイメージした上で、貯蓄の目標額を立てることで、貯蓄計画がより実行しやすくなります。

現行の公的年金の年金給付水準は現役世代の6割

老後の生活費について、月々いくらくらい必要と考えるかという総務省の調べ(平成14年個人年金に関する市場調査) によると、「最低必要と考える老後の生活費」は平均27万4000円、「豊かな老後に必要と考える生活費」については平均39万円という結果が出ています。

この結果から、退職を60歳として、60歳から80歳までの夫婦の生活費をざっと計算すると、約6500万-9500万円と、かなり大きな金額になることがわかります。さらに、長生きすればその分だけ生活費も必要になります。

一般的に、老後の主な収入源となるのが公的年金といわれています。特に、厚生年金加入者の場合、現行の年金制度では、年金給付水準が現役世代の所得の59.4%となっており、老後の生活費のうち6-7割が、この公的年金でカバーできるとされています。

しかし、今回の年金改革案の可決により、将来的に年金給付水準が現行の59.4%から50%を下限に引き下げられることになり、さらに今後も5年に1度行われる年金改革により、老後の生活費をどれだけ公的年金でカバーできるのか、はっきりしないのが現状です。
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より一層自助努力が必要な時代に

老後に備える貯蓄目標額は、老後の生活費等の支出額から、公的年金や、サラリーマンであれば、退職金や企業年金などの収入額を差し引き、不足がある場合、その不足分が自助努力により用意しておくべき貯蓄目標額となります。

長引く不況の影響で給与が予定通り上がらないものの、保険料の引き上げなどで支出額だけが増し、経済的には非常に厳しい状況にあることは確かですが、このような時代にこそ、生命保険料も含めてあらゆる家計の無駄を一掃し、その無駄を貯蓄に換えていくことが大切です。

貯蓄計画において、定期性のある預貯金や有価証券などの金融商品が考えられますが、保険商品の中にも、死亡時に備える保険や、病気やケガに備える保険の他に、貯蓄を目的とした商品があります。

特に、老後に備える商品としては、「個人年金保険」ゃ「変額年金保険」などがあります。それぞれの商品の特徴を理解した上で、興味のある商品があれば、利用を考えてみるのもいいでしょう。「個人年金保険」ゃ「変額年金保険」についての詳細は、第4章をご参照ください。

どんな病気を想定して備えておけばいいのか

病気やケガの際の必要保障額を考える上で、自分がどういう状態になったとき、保険に備える必要があるのか、また入院費用がどれくらいかかるのかを把握しておく必要があります。

もちろん、将来どういう病気やケガをするかは不確かですが、身内に多い病気や患者数の多い病気などから、どのような病気に備えるのかを考えてみましょう。入院費用の目安がわかれば、備えるべき保障額も見えてくるはずです。

20代から90代以上で年代別に死因を見てみると、20代の若い層では、死因の約28%が不慮の事故で、ガン、心疾患、脳血管疾患の3大生活習慣病は約19%となっています。その後、3大生活習慣病の死因割合は、60代をピークに山形を描き、40代では56%、さらに60代になると約70%を占めるようになります。

70代以降の割合は、徐々に減少していくものの、90代以上でも約50%ほどを占めており、40代以降の主な死因が3大生活習慣病であることがわかります。

治療費・入院費は具体的にどの程度かかるのか

このように3大生活習慣病は40代以降の主な死因となっていますが、最近では、医療技術の進歩や特に早期発見、早期治療により、生存確率は高くなっていますとはいえ、これらの病気では、困難な手術が必要となったり、入院が長引いたりすることが多く、医療費が高額になることが予想されます。

保険相談 ほけんの窓口はこちらが参考になります。

医療保険で病気に備える場合は、3大生活習慣病や他のかかりやすい病気などを患った場合、いったいどれくらい入院費用がかかるのかを確認しておくことが大切です。

保険料の支払いが家計を圧迫していては本末転倒

さまざまな医療保障を付加しておけば安心できるかもしれませんが、保障を厚くすれば、それだけ保険料が高額になってしまいます。

万が一に備える保険料の支払いが、家計を圧迫しているようでは本末転倒です。商品を選ぶ際は、保険料が割安であるとか知り合いが加入しているからということではなく、まず、自分が病気やケガに対してどういう不安を持っているのかを明確にし、その不安が解消できる商品であるかどうかで見極めるようにしましょう。

高額な医療費がかかった場合の公的保障

医療費があとで戻ってくる「高額療養費の制度」

現在、健康保険の自己負担額は本人・家族とも3割ですが、この自己負担分として支払った医療費が高額だった場合、後日払い戻してくれる「高額療養費の制度Jがあります。

これは、どんな病気やケガでも利用できるので、大変にありがたい制度です。この制度が適用される際の条件は次のようになります。

  • 1 1ヶ月(1日から末日まで
  • 2 1つの病院・診療所
  • 3 同じ傷病
  • 4 自己負担額の上限を超えたこと

条件①にある11カ月間」とは、診療を受けた月ごとという意味です。たとえば3月10日-4月9日まで入院していたとしても、3月10日-3月31日までの自己負担額と4月1日-4月9日までの自己負担額と分けて計算します。

対象となるのは保険扱いの部分だけで、「差額ベッド代(公的医療保険で決められた室料との差額)Jや「入院中の食事代J1高度先進医療の技術料」などの保険対象外の費用は含まれません。

また、入院にかかった費用と通院にかかった費用は別扱いになります。この制度を利用した場合、高額の医療費を支払うような状況になっても、ある程度出費の上限が見込めるというメリットがあります。

ただし、この制度はあくまでも本人の請求が基本になるので、利用を希望する人は「高額療養費支給申請書」を提出しなければなりません。会社の健康保険は健康保険組合か社会保険事務所で、自営業などの国民健康保険の場合は市区町村役場で手続きを行います。申請の期限は、病医院の領収書の日付から2年以内になっています。

同一世帯で同じ月に、自己負担が2万1000円以上になった人が2人以上いる場合はそれぞれの医療費を合算することができます。申請してから高額療養費の払い戻しを受けるまでの期間は、およそ3-4カ月です。

申請から払い戻しまでの問、無利子でお金を貸してくれる制度もありますので、必要に応じて各医療保険の窓口に問い合わせてください。申込みから10日程度でお金が借りられ、貸付額は一般的に高額療養費の金額の8割程度になります。