公的年金はもはや頼りにならない?

今後、ますます少子高齢化が進み、人口に対する老人の占める割合が増加していくことが予想されています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、戦後生まれのいわゆる団塊の世代(昭和22-24年生まれ)の人が65歳以上になる2015年には、4人に1人が高齢者(65歳以上)になり、さらに2035年には、3.3人に1人が高齢者(65歳以上)になるという数値が出ています。この少子高齢化により、公的年金制度が危機的な局面を迎えています。

というのも、わが国の年金制度は、現役世代が支払う保険料を財源として、高齢者の年金を支払う賦課方式をとっているため、人口に対する高齢者の占める割合が高くなると、その分、現役世代の負担が大きくなってしまうからです。

そのため、今の高齢者が受給している年金額の水準を将来維持するのは、非常に困難な状況に陥っています。

8割の人が老後に不安を持っている

平成25年度の総務省の調べによると、老後の生活に対して不安を感じている人の割合は、「不安を持っている「どちらかというと不安を持っている」を合わせると8割近くに上っています。

老後の不安の主な理由としては、「公的年金や企業年金、退職金などが期待通りに受け取れるかどうか不安である」がトップで、次いで「預貯金などの蓄えが底をついて足りなくなるのではないかという不安(物価上昇によって収入などが目減りするのではないかという不安)が続いており、少子高齢化や長引く不況で、経済面での不安を感じている人が多くなっています。

老後を安心して迎えるためには、貯蓄をしっかりしておく必要があることは理解できますが、貯蓄の目標額も明確で、なしただ漠然と貯蓄をしようと思っても、なかなかうまくいきません。

老後、どんなライフスタイルを望み、そのライフスタイルを実現するのにどれくらい準備資金が必要なのかをイメージした上で、貯蓄の目標額を立てることで、貯蓄計画がより実行しやすくなります。

現行の公的年金の年金給付水準は現役世代の6割

老後の生活費について、月々いくらくらい必要と考えるかという総務省の調べ(平成14年個人年金に関する市場調査) によると、「最低必要と考える老後の生活費」は平均27万4000円、「豊かな老後に必要と考える生活費」については平均39万円という結果が出ています。

この結果から、退職を60歳として、60歳から80歳までの夫婦の生活費をざっと計算すると、約6500万-9500万円と、かなり大きな金額になることがわかります。さらに、長生きすればその分だけ生活費も必要になります。

一般的に、老後の主な収入源となるのが公的年金といわれています。特に、厚生年金加入者の場合、現行の年金制度では、年金給付水準が現役世代の所得の59.4%となっており、老後の生活費のうち6-7割が、この公的年金でカバーできるとされています。

しかし、今回の年金改革案の可決により、将来的に年金給付水準が現行の59.4%から50%を下限に引き下げられることになり、さらに今後も5年に1度行われる年金改革により、老後の生活費をどれだけ公的年金でカバーできるのか、はっきりしないのが現状です。
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より一層自助努力が必要な時代に

老後に備える貯蓄目標額は、老後の生活費等の支出額から、公的年金や、サラリーマンであれば、退職金や企業年金などの収入額を差し引き、不足がある場合、その不足分が自助努力により用意しておくべき貯蓄目標額となります。

長引く不況の影響で給与が予定通り上がらないものの、保険料の引き上げなどで支出額だけが増し、経済的には非常に厳しい状況にあることは確かですが、このような時代にこそ、生命保険料も含めてあらゆる家計の無駄を一掃し、その無駄を貯蓄に換えていくことが大切です。

貯蓄計画において、定期性のある預貯金や有価証券などの金融商品が考えられますが、保険商品の中にも、死亡時に備える保険や、病気やケガに備える保険の他に、貯蓄を目的とした商品があります。

特に、老後に備える商品としては、「個人年金保険」ゃ「変額年金保険」などがあります。それぞれの商品の特徴を理解した上で、興味のある商品があれば、利用を考えてみるのもいいでしょう。「個人年金保険」ゃ「変額年金保険」についての詳細は、第4章をご参照ください。

どんな病気を想定して備えておけばいいのか

病気やケガの際の必要保障額を考える上で、自分がどういう状態になったとき、保険に備える必要があるのか、また入院費用がどれくらいかかるのかを把握しておく必要があります。

もちろん、将来どういう病気やケガをするかは不確かですが、身内に多い病気や患者数の多い病気などから、どのような病気に備えるのかを考えてみましょう。入院費用の目安がわかれば、備えるべき保障額も見えてくるはずです。

20代から90代以上で年代別に死因を見てみると、20代の若い層では、死因の約28%が不慮の事故で、ガン、心疾患、脳血管疾患の3大生活習慣病は約19%となっています。その後、3大生活習慣病の死因割合は、60代をピークに山形を描き、40代では56%、さらに60代になると約70%を占めるようになります。

70代以降の割合は、徐々に減少していくものの、90代以上でも約50%ほどを占めており、40代以降の主な死因が3大生活習慣病であることがわかります。

治療費・入院費は具体的にどの程度かかるのか

このように3大生活習慣病は40代以降の主な死因となっていますが、最近では、医療技術の進歩や特に早期発見、早期治療により、生存確率は高くなっていますとはいえ、これらの病気では、困難な手術が必要となったり、入院が長引いたりすることが多く、医療費が高額になることが予想されます。

保険相談 ほけんの窓口はこちらが参考になります。

医療保険で病気に備える場合は、3大生活習慣病や他のかかりやすい病気などを患った場合、いったいどれくらい入院費用がかかるのかを確認しておくことが大切です。

保険料の支払いが家計を圧迫していては本末転倒

さまざまな医療保障を付加しておけば安心できるかもしれませんが、保障を厚くすれば、それだけ保険料が高額になってしまいます。

万が一に備える保険料の支払いが、家計を圧迫しているようでは本末転倒です。商品を選ぶ際は、保険料が割安であるとか知り合いが加入しているからということではなく、まず、自分が病気やケガに対してどういう不安を持っているのかを明確にし、その不安が解消できる商品であるかどうかで見極めるようにしましょう。

高額な医療費がかかった場合の公的保障

医療費があとで戻ってくる「高額療養費の制度」

現在、健康保険の自己負担額は本人・家族とも3割ですが、この自己負担分として支払った医療費が高額だった場合、後日払い戻してくれる「高額療養費の制度Jがあります。

これは、どんな病気やケガでも利用できるので、大変にありがたい制度です。この制度が適用される際の条件は次のようになります。

  • 1 1ヶ月(1日から末日まで
  • 2 1つの病院・診療所
  • 3 同じ傷病
  • 4 自己負担額の上限を超えたこと

条件①にある11カ月間」とは、診療を受けた月ごとという意味です。たとえば3月10日-4月9日まで入院していたとしても、3月10日-3月31日までの自己負担額と4月1日-4月9日までの自己負担額と分けて計算します。

対象となるのは保険扱いの部分だけで、「差額ベッド代(公的医療保険で決められた室料との差額)Jや「入院中の食事代J1高度先進医療の技術料」などの保険対象外の費用は含まれません。

また、入院にかかった費用と通院にかかった費用は別扱いになります。この制度を利用した場合、高額の医療費を支払うような状況になっても、ある程度出費の上限が見込めるというメリットがあります。

ただし、この制度はあくまでも本人の請求が基本になるので、利用を希望する人は「高額療養費支給申請書」を提出しなければなりません。会社の健康保険は健康保険組合か社会保険事務所で、自営業などの国民健康保険の場合は市区町村役場で手続きを行います。申請の期限は、病医院の領収書の日付から2年以内になっています。

同一世帯で同じ月に、自己負担が2万1000円以上になった人が2人以上いる場合はそれぞれの医療費を合算することができます。申請してから高額療養費の払い戻しを受けるまでの期間は、およそ3-4カ月です。

申請から払い戻しまでの問、無利子でお金を貸してくれる制度もありますので、必要に応じて各医療保険の窓口に問い合わせてください。申込みから10日程度でお金が借りられ、貸付額は一般的に高額療養費の金額の8割程度になります。

生命保険の加入率は約95% (郵便局の簡易保険やJAの共済を含む)ですから、ほとんどの人が生命保険に加入しているといえます。しかし、加入者がすべて上手に加入しているかというと、そうではないようです。

生命保険は万能ではありません。また、最低で、も5年、普通は10年から30年、40年の長期スパンのライフプランを考えて加入するものです。したがって、加入の仕方によって、その効果は大きく変わります。

月々の保険料は少なくても、トータルで支払う額は、住宅ローンの次に高額といわれます。ですから、加入の際にはいくつかのポイントをおさえて、それに合った生命保険にはいることが大切になります。

(1)加入までの流れとポイント

加入までの流れとその際のポイントを掲げると、次のようになります。

加入の仕方1)

ライフプランニングこれからどのような生活を望み、どのような人生を歩もうとするのか、ライフサイクルを考え、家庭や家族の状況、自分の実現したい目標にそったプランを立てます。

2) 加入の目的

ライフプランを立てると、実行するうえで経済的裏付けとなる、資金計画(マネープランニング)が必要となります。

生涯計画にそった経済準備の手段と方法を選択し、計画的に実行していくために、将来にわたって必要となってくる準備資金について、なにを優先させるか順位をつけ、いつまでに資金が必要かを、ライフプランと照らし合わせて明確化します。

生命保険は、保障機能と貯蓄機能を併せ持ち、資金計画の手段として有効かつ合理的な方法といえます。なお、個人と法人の生命保険加入の目的は様々です。

3)必要保障額(保険金額)の計算

生命保険は、自分ですでに準備済みの資金と、社会保障と企業保障で足りない部分を補完するのが役割です。むだなはいり方をしないよう、すでに準備済みの資金をチェックして、必要保障額を求めます。必要保障額の設定li,ライフプランにそった資金の収支を十分に考慮し、将来にわたって必要な保障金額、満期時の受取り金額、払込み保険料の3点を設定します。

4) 目的に合った生命保険の選択ライフプランに照らし合わせて、加入目的が明確になると、それに応じて保険の種類の選択が可能になります。個人と法人の目的に対応した生命保険の種類を一覧表にすると、図表2-27のようになります。

5)保障の期間の設定
保険期間には、一生涯保障するものと、期間を定めて保障するものの2種類があります。ライフプランに合わせて期間を設定します。

6)実行可能度チェック

保険の設計が終わると、実行可能かどうかのチェックが必要となります。理想のプランを実現させるには、プラン実行のコスト(保険料)が支払可能かどうか、日々の生活を圧迫しないように決定する必要があります。

暮らしを守る生命保険は、継続させることが大切です。将来の資金計画のためのプランによって、現在の資金繰りが悪くなっては意味がありません。無理なときは、もういちどプランを練り直します。

7 ) 加入

前記のことを経たうえで、もういちどライフプランに合わせて無理がないか検討し、加入の手続をとります。決定にあたってファイナンシャルプランナーなどに相談するのか望ましいことは前述のとおりです。

加入後のメンテナンス

生命保険は、家族の年齢や構成、世帯主の収入の変化、社会情勢の変化などに応じて、定期的に見直す必要があります。特に現在は、超高齢化社会を前にして日本の経済状態が変わり、終身雇用・年功序列がくずれ、収入計画が立てにくい状況にあります。

また、将来の公的年金や企業年金の受給にも、不安要素が隠せない状況にあります。こうしたなかで自己のライフプランを実現するには、個々の自助努力がかなり重要なポイントとなります。

そのためにも、ライフプラン上の目的に合った保険に加入してベースとなる保障をおさえ、それを定期的にチェックし、部分的に修正を加えていくのが得策といえるでしょう。保険加入後も保険の相談はFPにするといいです。そうすることにより、途中で起こりうる突発的なリスクに対応することが可能になります。

「財形制度」は、サラリーマンの教育・住宅・老後資金といった資産づくりを、国が財政および税制の面から積極的に援助し、企業など事業主の協力によって促進する貯蓄制度です。

生命保険においても、この制度に基づき、さまざまな商品が開発されています。生命保険の財形商品には、サラリーマン(満55歳未満)が給与天引きで加入するタイプと、保険料の全額を事業主が負担するタイプがあります。

また、他の金融機関とは異なり、加入期間中に死亡した場合でも死亡保障があります。保障内容は、保険料の負担者により異なります。

給与天引きタイプは、病気で死亡した場合には、その時点での配当金を含んだ積立金累計額が、災害で死亡した場合には、払い込まれた保険料の5倍相当額の災害死亡保険金を受け取ることができます。

事業主負担タイプは、病気で死亡した場合には、その時点での積立金累計額が死亡給付金として支払われ、災害で死亡した場合には、死亡給付金の2倍相当額の災害死亡保険金を受け取ることができます。

財形制度に基づく保険には、給与天引きで加入するタイプの、財形貯蓄積立保険、財形住宅貯蓄積立保険、財形年金積立保険と、事業主が負担するタイプの、財形給付金保険、財形基金保険の5種類があります。

この制度に加入すると税制上の優遇措置が受けられ、住宅の建築または購入、進学のための貸付制度が利用でき、サラリーマン個人の努力ではなかなか困難な資産形成を助けています。

1) 財形貯蓄積立保険

「財形貯蓄積立保険」は、保険料を給与から天引きする積立貯蓄です。積立期間は3年以上で、払込保険料累計額3.000万円まで積み立てられます。途中での引出しは自由ですが、差益の配当や利息は20%の源泉分離課税となり、利子非課税ではありません。

2)財形住宅貯蓄積立保険

「財形住宅貯蓄積立保険」は、住宅の取得資金づくりを目的とした積立貯蓄です(一定の要件を満たせば、増改築・大幅修繕にも利用可能)。積立期聞は5年以上で、加入限度額は払込保険料累計額550万円(ただし、財形年金積立貯蓄の払込保険料累計額と通算)で、通算550万円までは利子非課税となります。

住宅を取得する以外の目的で引き出す場合は解約となり、課税の対象となります。

3 )財形年金積立保険

「財形年金積立保険」は、年金の資金づくりのための積立貯蓄で、60歳以降に年金のかたちで受け取ります。積立期間は5年以上で、加入限度額は払込保険料累計額385万円(元本) (ただし、財形住宅積立貯蓄の払込保険料累計額と通算して550万円)で、利子非課税となります。

さらに、年金開始後に受け取る年金についても非課税扱いとなります。年金の種類には、10年保証期間付終身年金(定額型・逓増型)と5年、10年、15年の確定年金があります。年金受取り以外の目的で引き出す場合は解約となり、課税の対象となります。

4)財形給付金保険

「財形給付金保険」とは、事業主が「財形貯蓄積立保険」、「財形住宅貯蓄積立保険」、「財形年金積立保険」を行っている勤労者のために一定の保険料を払い込み、取扱機関で運用されたその保険料の元利合計額を7年ごとに勤労者に給付する保険です。

この保険の活用により勤労者の財産づくりが促進され、加えて労使協調が促進されるという効果を期待することができます。事業主が負担した保険料は損金算入でき、勤労者に対する給付金には所得税は課税されません。

5)財形基金保険

財形給付金保険と同じく、勤労者の財産形成を援助する趣旨で、「財形基金保険」があります。この保険は、労使が共同して財形基金を設立し、財形貯蓄を行う勤労者に対する事業主からの拠出金を受け入れ、運用を行うというものです。

拠出金は全額が事業主負担(勤労者l人当り年間10万円程度)であり、7年ごとに勤労者に対して拠出金と運用収益が給付されます。

企業や団体は、働く従業員の生活上の不安を取り除き、勤労意欲を高めるため、あるいは企業の役員の死亡が与える会社への経済的・社会的損失に備えるために、さまざまな制度を活用しています。

団体保険と財形制度は、福利厚生の一環として、従業員に万ーのことがあった場合の家族の生活保障と、企業に長年勤めた従業員の退職後の老後の生活保障のために利用されています。

(1 ) 団体保険

「団体保険」は、企業などの団体を通じて、希望者が任意で加入する生命保険です。サラリーマンの場合は勤務先を通じて、事業や商売をしている人は商工会議所や協同組合などを通じて加入します。

団体保険は一定人数以上の加入者が集まって加入するため、生命保険会社は保険料を、個人的に加入する個人保険に比べて割安に設定することができます。また、個人保険に比べると商品の種類が少ないため、選択の幅はかぎられてしまいますが、目的にあったタイプの保険が選べる場合には利用したほうが有利です。

保険料は、一般的に給与天引きにより支払われます。会社が保険料を負担し、福利厚生制度として導入するものもあります。団体保険への加入は勤務先を通じての加入となるため、企業や商工会議所、協同組合などが生命保険会社と取扱いの契約をしていないと利用できません。団体保険の代表的なものは、次の2つです。

1)団体定期保障(グループ保険)

「団体定期保険(グループ保険)Jは、従業員(役員を含む)の死亡時または高度障害状態時にのみ保険金が支払われる1年更新の定期保険て寸。企業や団体の従業員の死亡退職金・弔慰金制度、従業員の遺族保障制度として役立つています。

保険料は、その年度の死亡保険料とわずかな付加保険料だけ(一括して販売・管理されるため)て構成され、個人保険契約に比ぺて割安になっています。掛捨て保険であるため満期保険金はありませんが、団体ごとに毎年決算を行い、剰余金があれば配当金として加入者に払い戻されます。

団体定期保険への加入は、通常は健康で正常に勤務していることを告知するだけで、簡単に加入することができます。

また、団体定期保険には、団体定期保険災害割増特約、団体定期保険障害特約、団体定期保険災害保障特約、団体定期保険交通災害保障特約、団体定期保険労働災害保障特約などの特約が付加でき、病気死亡だけでなく、事故や災害での死亡にも、十分備えることができます。

定期保険と終身保険の違いに注意

定期保険と終身保険の違いは、保障期間が決定的に違います。死ぬまで保障するのが終身保険で、一定期間のみ保障するのが定期保険です。そのため、保険料に大きな差があります。

死ぬまで保障がある終身保険は、必ず支払いが発生します。そのため、保険料は高く設定されます。

定期保険は保障が一定期間だけで、保険金を支払う可能性が終身保険より小さいので、その分、保険料は終身保険より安くなっています。

逆に言えば、定期付終身保険を転換でまた同じ定期付終身保険にすることがよくありますが、その場合、多くの転換は終身部分を小さく、たとえば100万円程度にして、その代わり定期タイプの特約をたくさんつけて保険金額は変わらないようにしています。

なぜなら、こうすれば保険会社が必ず支払う終身保険のリスクを小さくし、掛け捨ての定期保険の収益を大きくできるからです。テレビなどで「保険診断」と称して、現在入っている保険を専門家が「整理」する番組がありますが、そのやり方もたいていこれと同じ方法を採っています。

定期付終身保険のうち、保険料の高い終身をけずって、保険料の安い定期保険に変えるわけです。終身から定期に変えれば、当然、保険料は安くなります。

しかしそのことは同時に、保障を悪くしていることでもあるのです。保険料が安いということは、保険金を支払う可能性が低いということなのですから。

また、終身保険には解約返戻金がありますが、最近は解約返戻金を低く抑えたり、終身タイプのがん保険などには解約返戻金を無くして、その分、保険料を安くしているものも出ています。この終身と定期の性質の違いをしっかりおさえて、保険を検討すること、これがまず何より大切なことです。

可能なら保険料は40代前半までに支払う

保険料の支払い方について吾一守えば、長期で払うと月あたりの保険料は安くなります。逆に短期で払えば、月あたりの保険料は高くなりますが、支払い総額は安くなります。極端な話、保険料を一時払い(一括払い)にすれば、保険料はかなり安くてすみます。

日本生命の例では、保険金500万円の終身保険、30歳加入・40歳払い込みの保険料は、月払いだと毎月の保険料は8180円。これが同じ沼歳加入でも回歳払い込みにすると月額1万185円と、毎月の支払いは高くなりますが、支払い総額では安くなります。

具体的に言えば、払い込みは支払い総額373万80円に対して印歳払い込みでは342万2160円で、その差は却万7920円にもなります。また、同じ保険を年払いにすると支払い総額は333万6620円と、さらに安くなります。

また、保険料の支払い期間について言えば、可能ならば印歳前半で支払い終わるのがベストでしょう。ゆとりのある老後をおくるためにも、また現在の厳しい雇用情勢を考えても、だからこそ少々無理をしてでも可能な限り早く払い終えたほ、つがいいでしょう。

せっかく長い間保険料を払い続けてきたのに、リストラされて保険料が払えなくなり、泣く泣く解約・・・などということは避けたいものです。さらに、どんな職業に就いているかによっても支払い方は変わってきます。

公務員はやはり安定しているので、定年までをメドに支払うような設定でも大丈夫かもしれません。企業規模によっても変わってきますので、ご自身の環境に見合った設定を検討することです。これからは保険料についてより注意を払うことです。

保険を大きく分けると、その保障期間によって定期保険と終身保険とに、また保険金・給付金のもらい方によって、死亡保険、生死混合保険、生存保険とに分けられます。

●保障期間

保障期間というのは、保険金や給付金をもらえる期間のことをいいます。保障期間が死ぬまでなら終身保険(または終身タイプ)、1年、5年、叩年などの一定期間だけなら定期保険(定期タイプ)となります。

終身保険や定期保険、あるいは終身タイプ、定期タイプなどと名付けられていなくても、いろいろな保険や特約は、すべてこのふたつの保障の仕方のうちのどちらかにあてはまります。

たとえばがん保険にも定期タイプと終身タイプがあり、医療保険も同様です。簡単に定期か終身かを見分ける方法は、死亡するまで一生涯にわたって保障があるのが終身保険で、一方、保障する期聞が定められているのが定期保険で、その契約期間が終了することを満期といいます。養老保険や確定年金がその例です。また特約にも終身タイプと定期タイプがあります。

●特約

保険には特約があります。特約とは主契約に付けられる保障で、定期付終身保険の例では、主契約が終身保険で、定期保険が特約として付いているものです。単品で別々に入るより、特約として付けると保険料が安くなります。

これは、単品の保険は簡単にやめられてしまう可能性がありますが、主契約に付いている特約はやめにくいために、その分、保険料を安くしているからです。

●保険金のもらい方

保険の分け方は、保険金・給付金のもらい方でも区別できます。死亡した場合に保険金がもらえるのが死亡保険、生存中に保険金がもらえるのが生存保険、生きていても死んでも保険金がもらえるのが生・死混合の保険です

死んで保険金がもらえる保険には終身保険、定期保険などがあり、生きていればもらえる保険はには、死亡保障のないタイプの介護保険があげられます。生・死混合の保険は、年金保険、養老保険などがその代表例でしょう。なお、死亡保障のある終身保険や定期保険では、高度障害状態になった時に死亡保険金と同額の保険金が支払われます。

保障としては終身保険を基本にした方がベストなのですが、現在、終身保険は保険料が高くなMりすぎてなかなか入れません。しかし、保障を確保するだけなら、私としては「変額終身保険」をおすすめしておきます。週刊誌でこの保険の使い方を紹介したら、ある大手生保に契約希望者が殺到してすぐに売り止めになった、ということもありました。

利率変動型積立保険は、2000年ごろから各社が販売し始めた、定期保険特約付終身保険に代わる主力商品の一つです。

支払った保険料はいったん個々の保険口座に入り、そこから各種の定期保険を購入し、余ったお金は口座に積み立てられます。保険料払込期聞が終了した時点での積立金を元に、終身保険や年金に移行します。

予定利率は一定期間ごとに見直されます。利率変動型積立保険の特徴として『自在な見直し」『資産形成機能』『保険料調整機能」が彊われています。

従来、保障内容を見直す場全古い契約を下取りして新たな契約に換える『契約転撃が「がわれていました。利率変動型積立保険は転換要らずの
生涯一契約で、必要に応じて保障内容の見直しができるというものです。

ただし、自在な見直しとはいっても、絶対に外せない『必須の保直や『最低保険金』を設けていることがほとんどで、「Aの特約だけ買いたい」といった希望はかなえられません。保険期間も10年が一般的で、1年分だけとか3年分だけといった買い方はできません。

中長期の資産形成機能については、払った保険料のほとんどを保障の購入に充ててしまうと、口座にお金は残りませんから資産形成にはなりません。まとまったお金を適宜入れることもできますが、保険以外の資産形成商品と比較して、利便性・安全性・収益性の観点から、この商品を利用する価値があるかどうかを判断する必要があります。

口座に積み立てる部分についても付加保険料がかかりますから、予定利率がそのまま運用利率にならないことにも注意が必要です。また、無手数料で引き出せる時期が限られるなど、細かい条件もチェックしましょう。

将来、「保険料を減らしたいけれど保障は減らしたくない」とか「保険料を増やさずに保障を大きくしたい」といった受只それまでに積み立てた口座のお金を、不足する保険料に充てられるのが『保険料調整機能』です。

しかし、もっとお金が増える商品があれば、そちらで積立をしたほうが家計全体としてはプラスです。定期保険付終身保険にせよ利率変動型積立保険にせよ、支払要件が複雑な定期保険が多数組み込まれているので要注意。

日本は地震王国といわれています。いつ地震が襲ってきても不思議ではあ言りません・では、地震などの天災で死亡した場合の保険はどうなるのでしょうか。地震や噴火、または津波などによる天災で死亡した場合には、病気で死亡した場合と同じように、保険金を受け取ることができます。

しかし、傷害特約(災害保障特約)や災害割増特約などの特約をプラスしていても、天災のような予測ができない事態は、特約の保険料算定基準に含まれていないので、その分の災害保険金は受け取れません。ただし、実際に起こった被害が保険制度の維持・運営に及ぼす影響が少ない場合は、被害の程度に応じて災害保険金が受け取れます。

また、火災保険に加入していたとしても、地震、噴火、津波による損害はほとんど補償されません。そこで注目を集め始めたのが「地震保険」です。この地震保険は、阪神大震災以後、補償内容の検討がなされていましたが、九六年一月一日に改正され、補償内容も充実したものになりました。

地震保険は、それのみの単独では加入できません。火災保険とのセットで加入することになります。改正前は、地震保険は途中からでは火災保険とセットすることができませんでしたが、改正で既存の火災保険に途中からでも地震保険をセットできるようになりました。

保険の対象となるのは、居住用の建物と家財に限定されています。契約金額は、火災保険の契約金額の30%から50%の範囲の額です。また、他の地震保険契約と合わせて建物が5000万円、家財が1000万円が限度となっています。

保険金が支払われるのは、地震、噴火、津波が原因での火災、損壊などの被害を建物、家財に受けたときです。建物であれば、全損、半損、一部損、家財の場合は、全損または家財を収容する建物が全損、半損、一部損となったときです。

建物の全損とは、主要構造部分(土台、柱、壁屋根など)の損害の額が、建物の時価の50%以上となった場合、または焼失、流失した部分の床面積が延床面積の70%以上となった場合となってい建物の半損とは、主要構造部分の損害の額が時価の20%以上五50%未満となった場合、または焼失、流失した床面積が延床面積の20%以上70%未満の場合となっています。

建物の一部損とは、主要構造部分の損害の額が、時価の3%以上20%未満の場合となっています。地震保険の保険料は所在地や建物の構造によって異なりますから注意してください。

1) 災害割増特約「災害割増特約」は、災害により事故の日から180日以内に死亡・高度障害状態になったとき、または法定・指定伝染病で死亡・高度障害状態になったときに、主契約の死亡・高度障害保険金に上乗せして災害割増保険金を受け取ることができます。

2)障害特約「障害特約」は、災害により事故の白から180日以内に死亡したとき、または法定・指定伝染病で死亡したときに、主契約の死亡・高度障害保険金に上乗せして災害保険金を受け取ることができます。また、障害状態になった場合には、その程度に応じて障害給付金(6級・10%-1級・100%)を受け取ることができます。3)災害入院特約「災害入院特約」は、入院したときの医療費をカバーするための特約です。災害により、事故の日から180日以内に継続して5日以上入院したときに、5日目から、契約時にあらかじめ決めた日額の入院給付金を受け取れます。1回の入院は120日、通算700日が限度となります。

(3) その他の特約

1)家族型特約

災害入院特約、疾病入院特約、障害特約には、「家族型特約」があり、家族構成に応じて、本人と妻子に給付を行う「本人・妻子型」と、本人と妻に給付を行う「本人・妻型」、また本人と子に給付を行う「本人・子型Jを選ぶことができます。妻や子の給付金の割合は、通常は本人つまり被保険者の6割となります。.保険期間は、妻が保険料払込期間中で、こどもは満20歳未満となります。

2) リビングニーズ特約

「リビングニーズ特約」は、病気やケガの種類にかかわらず、被保険者の余命が6か月以内と判断された場合に、死亡保険金の一部または全部が生前に受け取れる、新しいタイプの特約です。この特約を付加するための保険料は、特に必要ありません。